糞苺研究?



大学の農学部の牛舎の空きスペースを借りて、糞苺の大量飼育をしてみた。
牛舎にした理由は、大量の糞を垂れ臭いからだ。

まず、手始めに糞苺を捕獲するために狸とか捕まえるときの
古典的な餌で釣る匣みたいな奴を、
付近の住民の許可を得て仕掛けた。(むしろ歓迎されたの言うまでもない。)
餌には最小限の出費で最大限の効果を出すため、
敢えて苺大福を各匣に一つずつ仕掛けた。
一応、1日仕掛けておき、その間に牛舎の方で"実験室"の設営にあたった。

設営は順調に進み、その日のうちに終えることができた。

翌日、罠を確認するとなんと10箇所全てで糞苺が掛かっていて、
全部で35匹捕まえることができた。
早速、実験室に運び入れた。実験室は畳十丈ほどで、
実験室というよりは飼育小屋である。小さくひ弱な糞苺なら狭くはないだろう。
すべてを放し終わると早速
「ソコノオマエウニューヨコセナノ。ヒナオナカヘッタノハヤクスルナノ――!」
などと騒ぎはじめた。
仕方がないので、生ゴミを与えると、
「コンナノクエナイノ―!オマエハバカナノ―!サッサトウニューヲヨコセナノ」などと、
愚かにも騒ぎだしたので、仕方なしに一匹を捕まえ、見せしめにすることにした。

一番手前にいた奴をつまみ上げ、残る糞どもに恫喝するように言った。
「おい!てめぇらよくきけ!いまから俺に逆らう奴は、
この馬鹿と同じことにしてやるからな!」
そういうと、糞苺どもは驚いた様子で、実に間抜けな面をしてこちらを見ている。
俺は捕まえた奴を壁に投げ付けた。「べちゃっ」と湿った音が実験室に響く。
「ナニシヤガルノ―!オマエユルサナイノ―!」などと叫ぶ。
そいつに向けて、電動ガンを撃ちまくる。
「イデデデ、ア゙ン゙マ゙ア゙ンマ゙アン゙マ゙――――――――!!!」
実験室に断末魔が響き渡る。
そいつが撃たれてる間、残りの糞どもはただ怯えながら体を寄せ合い、
仲間を見つめていた。

まったく醜い奴らだ。仲間がヒドイ目に遭っていても、助けようとしない。
だが、その醜さが私の嗜虐心をくすぐる。
撃ち終わると、身体中あざだらけとなり、実に醜い姿となった。
それでも口は達者なようで「ヴヴ...オマエシネナノ...ユルサナイノー」と減らず口を叩く。
俺はあの気持ち悪い髪の毛をつかみ、首に縄を掛けた。
鋭利なナイフを刃を上にして壁に突き刺し、その上糞苺を立たせ、
縄が張るように上の方で釣った。
足を踏み外せば首吊りになるのだ。
「イダイ゙ノ――――!!!!ハナセナノ――――!!!!オマエコロシテヤルナノ―――――!!!!」
「やってみろよ。ばぁか!」足がナイフで切れ血塗れになる。
痛さで足が勝手に動いてしまうのだろうか、
ナイフの上で足踏みをしている。しかし、動けば余計痛む。

「ハヤク・・・ハヤクオロセナノ。アシガイ゙ダイノ・・・」
「モウ・・・ダメナ・・・ノ・・・・・・」
次の瞬間遂に自ら首を吊った。もう抵抗する体力は無いようだ。
早々と殊切れてしまった。
縄を外し、俺はそいつの手足を後ろ手に縛り、口から串刺しにして、
生き残った糞どものまえにそいつの死体をたてた。
残った奴らはその凄惨な死体の有様に、言葉を失う。
「おい、わかったな?ウニューよこせとかわがまま言ったらこうなるからな!」
そういうと、糞苺どもはガタガタ震えながら部屋の隅にかたまり、
静かになった。さすがに理解できたようだが、念を押すために、
串刺しを群れに投げ付け、電動ガンで群れに向け発砲しておいた。

翌日、実験室に行くと糞苺どもは昨日あれだけ凄惨な場面を目の当たりにし、
かつ酷い目に遭わされたのにもかかわらず
「チャンマ♪チャンマー♪」
「アンマ♪アンマ♪アンマ♪ウイウイ―」
などと、上機嫌で騒いでいた。
そんなことより、
何か違和感を感じたのは・・・・・・増えている。ということだ。
昨日一匹を浄化してやり、34匹のはずだが・・・42!?
8匹の糞苺が新にこの世へ罪を創りに来たようだ。
俺は糞苺どもに聞いた
「子供産んだ奴はだれだ。子供を連れて出てこい。
 さもないと、皆殺しにする。
 素直に出てくれば楽しいことをしてやる。
 まわりの奴で俺に教えてくれた奴には、褒美をやる。」
さらに続けた。
「それから、孕んでる馬鹿も出てこい。未来を保証してやってもいい。」
問い掛けに対し、さすがは糞苺。欲の塊だけはあり、子糞を4匹ずつ2親と、
孕んでる糞苺を8匹とそれを連れてきた4匹の計22匹がぞろぞろと、
欲望丸出しの気持ち悪い面を下げて出てきた。
俺はまず糞苺どもに
「よく出てきてくれた。」
と、心にもない礼を言う。
次にガキ共を専用の段ボールに詰め、孕んでる糞共を同じ様につめ、
中から開けられないようにしっかりと封じた。
そして、のこりの可哀相なうんこちゃんたちは、黒い45gのゴミ袋にいれ、
段ボール2つ、ゴミ袋一つにまとめリアカーに載せた。

残った20匹は、ただ口をだらしなく開けながらただ黙ってみていた。

さてさて、計画は斯くして順調に進む。
私は研究室に行き、まずガキ共を今回の為に作った、
ウイルスフリーの飼育箱へ移した。
「ウユー?ココハドコナノーハラヘッタノー」
「アンマアンマー♪ウニューヨコセナノー」
ったく、生まれたそばからこの有様。濃硫酸でもかけて焼き殺してやりたくなる。
まあいい。
除菌剤をしこたま練りこんだウニューを放り込み、密閉した。
そうしているうちに、獣医学部の人が北。孕んでる糞共をあげる約束をしていた。
「あれ?どれー?」
「その車の段ボールに入ってるよ。8匹もいやがったしw」
「うへっwマジで!?教授喜ぶわー。」
「まあ、うまくやってくれよ。この国の農業と畜産の未来が懸かっているるからな。」
「オッケー。」
そういうと、段ボールを持っていった。
さて、一仕事終えたところで、お楽しみ。
卑怯者と豪欲者の楽しい"異端裁判"をはじめるとしよう。
用意した犬猫用の檻のなかに黒いゴミ袋を乱暴に投げ入れる。
「ウゲ!イダイノーマックラナノー」
「ナニモミエナイノー」
減らず口は死ぬまで治らないようだな。俺はカッターナイフを手に取り、
刃を全開にしゴミ袋を切り付けた。
何匹かの糞苺を切ったようだが気にしない。
ゴミ袋からぞろぞろと、とんずらこいてでてくる。
「ココハドコナノーハラヘッタノー」
「イ゙ダイ゙ノー!!ヂガデル゙ノ゙ー!!」
などと、騒ぐ。本当に進歩しない奴らだ。もう一度太陽の下を歩けた事に感謝しろ。
俺は鞭を取り、地面を叩くと糞共はびくっとし、黙りこくった。
まいどまいどこの光景には笑わせられる。

「いまから、貴様等に裁きを下す。
 まずは孕んでる馬鹿共を突き出した卑怯者のお前等だ。」
4匹がノコノコ出てきた。卑怯者と言った意味が分からないのか、
卑怯者の意味が分からないのかはっきりしないが、
下賤で卑しい笑みを浮かべながら近寄ってくる。
「お前たちは、言い付けどおり孕んでる馬鹿共を突き出したな。」
「ソウナノー!ヒナタチハセイギナノー!タダシイコトシタノー!サッサトホゥ・・・」
「そう・・・仲間を裏切り、新たな命を見捨て、
 自らの欲望に任せ、孕んでる馬鹿共を突き出したんだよな。」
「ナニイッテルノナノー!オマエガツキダセトカイッタカラヒナタチハイウトウリニシタノ!ソレヨリホウビヲヨコセナノー!」
「おいおい、残った奴らはお前等みたいに仲間は裏切らなかったぞ。
 自分の罪を棚に上げて何を言うか!」
「ウ・・・オマエウソツキナノー・・・ホウビヨコセナノー」
「おいおい、嘘つきよばわれは止せ。褒美ならある。」
「ウユ?ホウビホウビー!アンマアンマー」
「約束は果たすが、罪は償ってもらうからな。」
「ハイナノー!ヒナオリコウサンナノー!ハヤクヨコセナノー!」
これだから・・・
俺は空き箱に4匹をいれ、デシケーター(強力な密閉乾燥容器)にうつし、
重い蓋をしめた。
分厚く頑丈なガラス製なので中で騒いでも静かでいい。
すると、ぶよぶよの水脹れの憎態たちはみるみるうちに水分を失い、
干からびこときれた。
「次に、おまえらだ。まあこれを食え。」
ウニューのあんこと苺の代わりに塩を入れた、小さな小さな塩大福を上げた。
「一口で食えよー★」
「ハイナノー」そういうと、一口で頬張った。
「・・・・・・ッ!シュッパイノー!ウニュージャナイノー・・・」
多量の塩が胃に入れば、言うまでもない現象が起こる。

さて、お楽しみを終え、死に損ないの糞苺どものもとへ。
勿論今日の餌も、なま★ごみ。
「ほらめしだー!食え!」
そう言いながらゴミをばらまく。
不満がうるさいのでさっさと出ていく。
「はぁ、今日はこれくらいだな。サークル行こ。」

三日後、研究室の飼育箱へ幽閉した子糞たちを実験動物に、
身近にあるもので効果的に糞苺を駆除できるものを探す研究をはじめた。
とはいえ、糞苺の内蔵の機構など、糞苺に関する詳しい情報はほぼ皆無に等しい。
そこでまず、糞苺の解剖から始めることにした。
飼育箱から一匹を選び、乱暴に掴み麻酔をかけるための容器のなかに突っ込んだ。
非力な子糞は短く惨めな手足をばたつかせ抵抗しているようだが、
とてもそのように思えてこない。
「チャッ!ハナセナノー!ウヴーココハセマイノー!」
なんか言ってるが、シカト。
おもむろに蓋を閉め、蓋のチューブから安価なジエチルエーテルを注入した。
麻酔はすぐに終わり、子糞は力が入らないのか、
だらしないへべれけな気持ち悪い醜い顔をしている。

麻酔はすぐに効いたようだ。陸に打ち上げられたクラゲの如くだらっとしている。
マスクをし、ゴム手袋をはめ、麻酔ビンから子糞を取り出す。
ビニールを敷いたステンレスのバットに置く。
麻酔が効いてなお、うわごとを言っている
「アアー・・アァァウアウアウアー・・・イー」
煩いなぁ。思わず捻り潰したくなるが、それを押さえつつ、
解剖の間動かないように四肢を固定する。
メスを取り、喉元から真直ぐへその下まで切開。
「アァ・・・ウウウ」
切られているのは、分かっているようだ。
他の動物にはない、何か不思議な手触り。筋肉は少なく、皮下脂肪の多い憎体。
骨も軟骨程度の硬度で、まるで骨格を持つ動物とは思えない。
すぐさま、内蔵まで達することができた。が、驚くべき事実に気付いた。
人間の内臓の分布を平均とすれば、・・・不自然にも程がある。
なんと、巨大な胃袋があり、そのまわりに肝臓とか腎臓とか肺とかが、
考えていたよりずっと小さく粗末な有様である。
「つまり・・・出来損ないか」
言うまでもないセリフをこぼす。
しかも、心臓はのそのそとまるで心臓ではないような動き・・・。
はっきり言って、冗談にも程がある。
反面、巨大な胃袋、小さな腎臓や肝臓。糞苺の実情を物語っていることは確かだ。
だが、一つに疑問が残る。生殖機構がみあたらないw
・・・・・・・・・・・・。
どうしよう。
ま、いっか。増殖を上回る勢いで殺つちまえばいいしw

つぎに、頭を開いた。
・・・・・・。は?あーやっぱりね。これで、よく言葉をしゃべりやがる。
これまた実に粗末な有様である。
「たぶん・・・カラスの方が利口だな」
うーん。もういいや。
そう思うと、うようよ動く心臓らしきものを切り裂き、あの世へ送ってやった。
敷いておいたビニールで子糞の死体をつつみ、
お腹を空かせた子糞たちの飼育箱へ投げ入れた。
子糞たちは一瞬驚き、次の瞬間貪りはじめた。
なんともえぐい奴らだ。
一休みして、糞苺達のいる牛舎へ。実は、20匹の成熟した糞苺達には用はない。
死んでくれればそれに越したことはない。だが、自分で殺るのも億劫だ。
そこで、名案を思いついた。
部屋に着くと、今日もあの神経を逆撫でする声で騒いでいる。
俺は持っていた棒で壁を叩き、糞苺達を黙らせた。因み、腰にはサーベルをさしている。
※ここから、前に出たアィデアを使わせてもらいます。

「お前等には、いまから戦ってもらう。敵は周りの奴ら、つまりバトルロワイヤルだ。
戦う意志が無いとみなしたものは、俺が切り捨てる。ほら武器だ。」
持ってきた棒切れ20本を糞苺共の方へ投げる。
だが、頭の悪い奴らには理解が難しいようで、
「タタカウッテナンナノー!オマエノメイレーハウケネーノ!ボウリョクハメッメナノ」
やれやれ、
「ここに、うにゅうが100個ある。
最後まで生き残ったら、全部やるって事だが、どうだ?いらないなら俺が食うぞ。」

そういうと、苺大福にかぶり付き、偽物の入った箱の中身を見せる。
「ウニュー!ソンナニイッパイ・・・ヤルノヤルノー!」
「アンマアンマー!オマエラミナゴロシナノヨー」
やれられ、本当に馬鹿だ。だが、一匹の糞苺が出てきていった。
「マテナノー!オマエ・・・ドウセウニュークレナイノ!インチキナノ!ヒナウニューホシイノシニタクナイノ」
「そっか、お前はお利口だな。こっちへこい。いいことを教えてやる。他の奴は待ってろよ。」
そういうと、"お利口さん"は欲丸出しの醜い顔をしてこっちへ寄ってくる。
「イイコトッテナンナノーハヤクオシエロナノー」
まったく、言葉遣いまでなっていやしない。
「それはな」
そういうと、汚い顔を更に歪ませこちらに近付ける。「・・・」
そいつの頭をデコピンする。「アウー。ナンナノー」
まだ分からないのか?
「戦う気のやい奴は、試合終了だ」
そういうと、糞苺は一瞬ボケッとし、次の瞬間恐怖に震えだした。だが、もう遅い。
「ナッ・・・ナッ・・・アァ――――!」
ぶざまに尻餅を着き、手をこちらへ突きだし、やめてくれってか?
俺は、腰のサーベルを抜き、一刀のもとに切り捨てた。
「おいおい、お前等は本当学習しないどころが、話もろくに聞けない。
ちゃんと言ったぜ、戦う気のない奴は俺が切り捨てる。ってさ」
ようやく分かったようで、俺がいい終わるかどうかってところで、戦いが始まった。
コテッコテッと叩き合っている。なかなか笑える光景だ。
この世にこれほど滑稽な様はないだろう。
「ヴニ゙ュー!ヴニ゙ュー!オマエジネナノー!」
「ア゙ンマ゙ー!ヤメロナノー!イ゙ダイー!」
「ヘッホヘッホ、ソレナノー!」
「チャァアー!ウシロカラヒキョーナノ!」
非力な糞苺共の戦い。迫力に欠けるのは仕方ない。

偽物の為にともしらずに。戦いは白熱し、糞共の精神は崩壊したようだw
もはや、うめき声にしか聞こえない。
「ヌ゙オ゙ォォァアアアー!ア゙ン゙マー!ヴーオー!」
ようやく、あと3匹になった。もうぼろぼろのぼろ布同然だ。
二匹が一匹を殴打している。
「ヤ゙メ゙ル゙ノ゙ー!ブダリ゙ガガリ゙バァビギョヴナ゙ノー――――!」
そして次の瞬間
「グエ゙ッ!・・・・・・ウギャー。」
いったか。
さあ、一対一だ。と思いきや、片方が負けを認めた。
「ヒナ・・・モウイイノ・・・オマエカチナネ。」
どうせ、騙すんだろ。
「フェ?オマエヤサシイノー!ヒナカッタノー!ウニューハイタダキナノー!ハヤクヨコセナノー!」
そう言うと、こちらへ寄ってくる。
「よしよし、そこで待て。」
素直に従うが、次の瞬間、案の定こいつは騙され忙殺された。
「ワーィワーイ!ヒナカッタノー!アイツバカナノー!ヒッカカッタノー!ウニューハヒナノモノー!」
あーあ。おめでたいな。
「ハヤクヨコセ!ウニューヨコセナノー!」
「は?お前も、話し聞けない奴だな。」
「ウユ?ナニイッテルノー!ヒナイキテルノー!ハナシキイテルノー!オマエバカナノー!」
「いや、最後まで生き残ったらって言ったっしょ★」

そういうと、最初の馬鹿と同じく、一瞬ボケッとし次の瞬間恐怖に震えだした。
「オマエ・・・オマエ・・・ヒナタチヲダマシタノ・・・ヤクソクヤブッタノ・・・コロスノ」
「違う違う。た・だ・し・く・は、ひなたちは勘違いしてたのごめんなさい。だからな。」
ほくそ笑み、糞苺の巨大な胃袋のある腹を突き刺す。
「チャ・・・アゥ・・・」
「馬鹿死んでも治らないから、諦めて死ねや。」
サーベルを引き抜き、首を跳ねた。首はこうを描き、
ぐちゃっと湿った音をたて、地面でつぶれた。
20匹もの糞苺は斯くして全★滅。


それから数週間後・・・糞苺駆除の方法は確立された。
まあ、練りがらしを苺大福に仕込んでその辺に投げておくだけだが。
農産物の食害はなくなり、疫病の伝播の懸念は避けられた。
だが、忘れてはいけない。
糞苺はいつも我々に付け入る隙を、あの卑しい目付きで狙っていることを・・・


Fin.